すごく、哀しい――と言うよりも、寂しい、夢を見た。
小学校卒業直前まで、私は母方の祖母にすごく懐いていた。
父親が自営業用に用意した建物の一室で、小学校時代の私は
熊本から出てきたその祖母と一緒に暮らしていた。
スポーツ少年団、と言う部活のようなものが終わる頃には
迎えに来てくれたりしてて、夕食は祖母が用意してくれたものを
一緒に食べていた。
私の成長を楽しみにしてくれていて、部屋にはいい成績を取った
テストを吊り下げて飾っていたりした。
突然倒れて息を引き取る前には、手持ちのお金から中学校の制服を
買ってやってくれ、と親に言い残してくれた。
亡くなって15年半以上になるその祖母が、夢に出てきた。
この歳になるまでまだ生きててくれて、危ないところもあったのだけれど
無事に乗り切った祖母と、一緒に住むことを決めた――と言うところで、夢は覚めた。
その途端、ぼろぼろと涙が零れ落ちてきて寝直すどころではなくなった。
――もう、ばあちゃんは、いない。
15年も経験してきた状態なのに、急に哀しさと寂しさが私を襲った。
涙が止まらない中で、ふと感じた。
「ああ、これはばあちゃんが、新しい仕事先でしっかりやれと言ってくれてるんだなぁ」
……ますます、涙が止まらなくなった。
同時に、思った。
両親とも、今はまだ元気だけれど、いつ別れが訪れるか知れない。
迷惑かけどおし、心配かけどおしのままでもし逝かれては、
今と同じような、あるいはそれ以上の後悔をすることになる。
せめて、職を安定させて安心してもらって、いずれ来る日まで少しでも孝行しよう。
ばあちゃんは、極楽浄土にいるか、もしかすると輪廻転生しているかも知れない。
生前期待してくれたよりは、ドラ孫としか言えない状態の私だけれど、
それでも、夢枕に立って応援しに来てくれた。
それに応えて、かつて期待してくれた姿に近づきたい。
そして、今年の正月と――来年の命日には、墓参りをしよう。
来年の命日には試用期間も終わっているし、
有給休暇も、青春18切符も使える。
熊本の方の、祖母の御先祖様と親族のお墓にも参ろう。
少しでも胸を張ってお墓参りができるように――頑張ろう。
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