デマのもたらすものは、つまるところこのようなもの
mixiニュースに関する日記でデマに騙されている人が相当いるようなので、
もう少し詳しく触れておきたい。
mixiニュースになったのは、以下の記事。
ガザ侵攻:イスラエル軍が「白リン弾」使用…人権団体指摘@毎日新聞
ガザ侵攻:イスラエル軍が「白リン弾」使用…人権団体指摘
煙が上がるガザ=2008年1月10日、ロイター 【エルサレム高橋宗男】国際人権団体ヒューマン・ライツ・ウォッチ(HRW)は10日、イスラエル軍がパレスチナ自治区ガザ地区侵攻で、「非人道性」が指摘されている「白リン弾」を使用している可能性が高いと指摘した。HRWは、世界で最も人口密度が高い地域の一つであるガザ地区での白リン弾使用は、国際法に違反する可能性があるとし、イスラエル軍に同弾の使用停止を求めている。
HRWの専門家らは9、10の両日、イスラエル側のガザ境界から、ガザ市やジャバリヤ難民キャンプ方面で砲弾が空中さく裂し、白煙を吐く多数の物体が落下する様子を確認。さらにメディアの映像などから、これらが白リン弾である可能性が濃厚と判断した。
白リン弾は国際条約で明示的に禁止された兵器ではなく、化学兵器ともみなされていない。だが、皮膚に触れると骨を溶かすほど激しく燃焼し続け、人体に深刻な被害をもたらすのが特徴だ。第二次大戦の空爆などにも使用され、消火が難しいことからその非人道性が指摘された。
(略)
【ことば】白リン弾
空気と反応して発火、発煙する兵器。ざんごうの敵兵をいぶり出したり、対戦車砲に対する煙幕として有効とされる。消火が極めて困難なことや、人体への被害が大きいことから「人間を焼き尽くす兵器」とも言われる。
白燐弾デマ報道を信じ込んだ人の例@週刊オブイェクト様では、
とあるのだけれど、そのデマ自体がまだまだ酷いものであり、よりによってそれでも骨を溶かすとか誇張はかなり入っていますし、語るべきところを語っていない面もありますが、巷で流れているデマ報道よりはかなりマシなレベルになっています。
やらかしてくれているのがマスコミであるため騙されている人が大変多く、
その様を見ていると非常に業腹になってくるのである。
一々引用こそしないけれど、中には中性子爆弾か何かと
勘違いしているのではと思えてしまう日記さえあったりする。
まぁ、ただの煙幕だろ?と冷静にツッコんでいる方が
それなりにいるのがまだ救われるところだろうか。
空中炸裂する白燐弾を検証@週刊オブイェクト様にある富士総合火力演習の
GIFアニメを見れば、毎日新聞が報じているような殺傷能力が無いのは明白
(もしそんな殺傷能力があったら、毎年大惨事としてニュースで騒がれている)。
少々長くなるが、【珍説】 「白燐弾使用を取り上げるのは,すべての兵器についてすべての戦争行為に対する反対を前提として問題視するものだからだ(masterlow)」???より引用しておきたい。
よく分からない文章ですが,反戦のためならデマも許される,とでも言いたいのでしょうか? 「造反有理」「愛国無罪」じゃあるまいし(笑).
さて,結論から言いますと,WP(白燐弾)に関するこの一連のデマは,「すべての戦争行為に対する反対」という目的に全く寄与しません.
それどころかデマ自体,反戦よりむしろ戦争を発生させる方向に働く性質があります.
まず,このデマによってWP使用が禁止されたと仮定しましょう.
すると何が起こるでしょうか?
別項で述べられているように,WPは砲撃の範囲を限定するためのマーカーとして用いられているものです.
それが使えないとなりますと,砲撃は範囲を限定することができませんから,無差別効力射によって,本来死なずに済むはずの多数の民間人が死に,あるいは永久に消えない傷に苦しむことになります.
もちろん,民間人の巻き添えが戦争抑止に何ら繋がらないことは,言うまでもないでしょう.
例えば,スーダンのダルフール内戦では万単位の民間人犠牲者を出していますが,内戦終結の糸口は今だ見えない状態です.他の多くのアフリカの内戦もそうです.
チェチェンやウズベキスタンも同様.ネパールも市民生活に大打撃を与えています.
チベットなどに至っては,そもそも民間人犠牲者がどれくらい出ているかも,報道管制のために正確には分かっておりません.
国際社会は,民間人に死者が出たからと言って戦争を止めるほど,甘っちょろい社会ではないのです.
また,デマ自体,戦争を発生させる方向に働く性質があります.
有名な例では,1994年,ルワンダにおいて,フツ族出身の大統領が,原因不明の飛行機事故で死亡した際,この事故は仕組まれていたものだというデマが流れたことがあります.これをきっかけに内戦勃発,4月から6月までの100日間で,ツチ族が50万人以上虐殺されました.
ユーゴ内戦の勃発経緯も似たようなものです.
「ベオグラードからのセルビア語ラジオ放送と,ミロシェヴィッチの息がかかったテレビ放送は,セルビア人は自国でしか身の安全は保障されない,という主張を繰り返しがなり立てた」
と,マイケル・イグナティエフは指摘しています(「仁義なき戦場」,毎日新聞社,1999/10/30)
デマが憎悪を煽りたてるものである以上,それが平和に貢献する可能性はゼロに等しいと言えます.
逆に,デマが戦争を抑止した,または沈静化したという実例を,当方は寡聞にして存じません.
そのような例があったというなら,具体的に挙げていただきたいものですな.
反戦運動の趣旨自体は、それを否定するものではない。
しかし、デマを以ってして人を騙してでも運動を進めようとすること自体に、
そして、そのデマが事態を悪化させる方向に働いてしまうことに対して、
猛烈な憤怒と敵愾心を抱かないではいられないのである。




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